2023年年始のご挨拶

間のつくりだす美しさを求めて

　あけましておめでとうございます。旧年中は、多大なるご支援をいただきありがとうございました。新年がみなさまにとって幸多き一年になることを願っております。

　今年の事務所のテーマは、「間」というものです。日本文化においては、間というものを大事にしています。そこには、「あえて満たさず省くことで対象となるものの美しさを際立たさせる」という哲学があります。

　私たちは、とかく間があると充足させようとしてしまいます。例えば隙間時間があれば、「何かここでできることはないか」と発想するでしょう。効率性という観点からすれば、こういった「間を埋める」というのは当然のことです。とかく時間はいったん過ぎ去ると事後的に回復できないため無駄にはしたくありません。

　ただし間をひたすら埋めるということでは、本当に大事なものが際立たなくなります。ときには効率性を度外視してあえて間を受け入れていく姿勢も必要です。

　事務所では、日常における「間」をうみだしていくために業務の見直しに抜本的に取り組む予定です。「もはや意味をなさなくなった作業」「目的も曖昧なまま継続している作業」「代替できる作業」など。意外と日頃の作業を見直すと見つかるはずです。

　必要最小限まで絞っていけば、より洗練された仕事ができるはずと確信しています。僕にとって仕事はアートのようなものです。この事務所をより美しく、より感動を与えるものに育てていければと願っています。

　今年もご支援のほどよろしくお願いします。