
春の気配と関門海峡の夕景
弁護士:島田 直行
投稿日:2025.02.26
この数日、まるで真冬のような寒さが続いていましたが、今日は久しぶりに春の気配を感じる一日でした。とはいえ、朝はやはり冷え込みが厳しく、冬の名残をしっかりと感じました。それでも、日中の日差しはやわらかく、空気の冷たさとは裏腹に、確実に季節が移り変わっているのを実感します。
日が沈むのも随分と遅くなりました。今、このブログを書いているのが午後6時ですが、まだ外には人の姿がはっきりと見えます。つい最近まではこの時間にはすっかり暗くなっていたのに、いつの間にか日が長くなってきたのだと、改めて気づかされます。
この時間の関門海峡は、本当に美しいものです。夕暮れが近づくにつれ、全体が淡い青色に染まり、水平線の向こうにほんのりと夕日が見え隠れする。海の青が波によってゆらめき、静かで幻想的な景色を作り出していきます。この風景を眺めていると、何も考えずにただ心が落ち着いていくのを感じます。
開業した時のことを思い出します。初めてこの事務所のドアを開け、窓から海峡を見渡した瞬間、一目惚れしました。賃料のことを考えれば、もっと安い場所を選ぶという選択肢もあったはずですが、それでもこの景色を前にすると迷いはありませんでした。今思えば、若さゆえの決断だったのかもしれません。でも、この事務所を選んで本当に良かったと、今でも心から思います。
毎日見ている景色なのに、不思議と飽きることがありません。同じように見えても、決して同じではない。時間の経過とともに、刻々と変化する光や色が、そのたびに新しい表情を見せてくれます。日が沈みかけると、対岸の門司港に灯りがともり始めます。その灯りが何の光なのかはわかりません。でも、遠くに見える明かりには、なぜか心惹かれてしまうものです。
それは、僕らが抱く「希望」に似ているのかもしれません。何を求めているのか、何に憧れているのか、自分自身でもはっきりとわからないことが多いものです。でも、求める気持ちそのものは確かに存在している。ときに、目的が見えないことに疲れることもありますが、だからこそ僕らは求め続けることができるのかもしれません。
夢や希望といったポジティブなものは、案外曖昧なものです。むしろ、曖昧であるからこそ、そこに惹かれ続けるのかもしれません。あまりにも具体的で確定してしまうと、それが現実になったとき、かえって歩みを止めてしまうこともあるからです。
何があるかわからないけれど、ただぼんやりと景色を眺める時間。その中でふと、自分の内側に目を向ける瞬間。そんな時間が、実はとても大切なのだと思います。
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