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「教えること」を考える

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2025.02.26

事務所では、スタッフのスキルアップのために、私が講師を務める勉強会を定期的に開催しています。最近は、会計についての基礎知識や私なりの考え方を伝えることに力を入れています。しかし、スタッフのほとんどは会計の知識を持っていません。そのため、いかに分かりやすく伝えるかが課題となります。

私は弁護士になって以来、「伝える」「教える」ということに興味を持ち、それをどのように実践すればよいか学んできました。多くの人は学ぶこと、つまりインプットに重点を置きがちですが、情報を提供する、つまりアウトプットすることも同じくらい大切です。しかし、私たちは圧倒的にアウトプットの機会が少なく、それゆえに「教える」ということに悩むのではないでしょうか。

また、私たちは体系的に「教えること」を学ぶ機会がほとんどありません。そのため、何かを伝えようとするときに、手ぶらで臨んでしまい、結果として相手を混乱させてしまうこともあります。こうした状況を避けるため、私は「全体像を最初に伝える」ことを大事にしています。

知識が十分でない人に、いきなり大量の情報を与えても、消化不良を起こしてしまうのは明らかです。資料をたくさん提供したとしても、そのすべてを理解できるわけではなく、むしろ情報過多による混乱や学ぶ意欲の低下を引き起こすことがあります。

そのため、私は「なぜこの情報を学ぶ必要があるのか」という目的を明確にした上で、全体像を伝えるようにしています。目的をはっきりさせることは、提供する情報と日々の業務を結びつけることにつながります。これがどのように実務に役立つのかを理解できなければ、学ぶこと自体が目的化してしまい、モチベーションの維持が難しくなるのです。

この考え方は、資格の勉強にも当てはまります。資格を取得したいという相談を受けることがありますが、何のために資格を取るのかが明確でないと、長時間の勉強に耐えるのは難しくなります。目的がはっきりしていれば、学ぶことが単なる作業ではなく、実践につながるものとして意識され、モチベーションの維持にもつながるのです。

全体像を最初に伝える理由は、提供する情報がどこに位置づけられるのかを明確にするためです。私たちは日々、多くの情報を得ていますが、それをただ蓄積しているだけでは、必要なときに取り出すことができません。情報は、他の知識や経験と結びつくことで体系化され、実際に使えるものになります。そのため、教える際には、すでに持っている知識や経験との関連性を意識することが重要です。

全体像を伝えることは、地図を渡すことと似ています。地図があることで目的地が明確になり、進むべき道筋も見えてくるのです。最初に伝える全体像は、大まかで薄いもので構いません。むしろ、最初から詳細な説明をしてしまうと、混乱を招く可能性が高まります。薄く広く全体像を示した上で、徐々に情報を補足していくのが、効果的な教え方ではないでしょうか。

私はこれからも「教えること」について考え続けていくと思います。試行錯誤を重ねることで、より質の高い指導ができるようになり、それが講演やプレゼンテーションのスキル向上にもつながると信じています。

皆さんも、自分なりの「教え方」について考えてみると、学びがより深まるかもしれません。

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