
「現場100回」の本質とフットワークの重要性
弁護士:島田 直行
投稿日:2025.03.08
本日は、北九州市を車で回りながら仕事をしていました。北九州というと、福岡県という枠組みで考えられることが多いですが、実際の生活圏としては山口県とも深く結びついています。距離的には遠く感じるかもしれませんが、実際には一体化しており、行き来することにあまり抵抗感はありません。むしろ、ちょっとした気分転換のような感覚です。
弁護士として仕事をする上で、フットワークの軽さは非常に重要だと感じています。実際に現場を訪れ、話を聞くことで、初めて見えてくるものがあるからです。「現場100回」という言葉がありますが、まさにその本質を突いていると思います。特に弁護士業務においては、現場を知ることが依頼者の本当の悩みや問題の核心に迫る手がかりとなることが多いのです。
例えば、企業の社長室を訪問するだけでも、その会社の文化や経営者の価値観が垣間見えます。壁に飾られたもの、デスクの上の書類の整理状況、本棚に並んでいる本の種類など、細かい部分からもその人の思想や哲学が伝わってきます。これは、本人が意図していない部分でも無意識に表れてしまうものです。
私たちは、自分自身をある程度意図的に演出しようとします。しかし、相手がそのまま受け取るとは限りません。むしろ、意図しない部分こそが、他者に対する自分の印象を形作ってしまうのです。これは、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。「こう見てほしい」と願っても、意外な部分が強く印象に残ることがあります。このように、自己表現とは非常に難しいものです。
さて、私が現場を訪れるもう一つの理由は、関係者を一堂に集めることができるからです。弁護士の仕事では、多くの関係者が関与する案件が少なくありません。特に、私のように企業法務をメインにしていると、利害関係者が複数にわたることが頻繁にあります。そのような場合、情報を個別に伝えていると、伝言ゲームのように情報が変質し、誤解が生じるリスクがあります。正確な情報を伝えるためには、できる限り関係者全員が同じ場で同じ情報を共有することが重要です。
また、関係者が増えれば増えるほど、責任の所在が曖昧になりがちです。「誰かがやってくれるだろう」という期待が生まれ、結果的にプロジェクトが停滞することもあります。そのため、私は現場で「誰が何をするのか」を明確にし、関係者全員がその場で責任を引き受けるようにしています。こうすることで、仕事の進行がスムーズになり、結果として案件の解決にもつながるのです。
仕事というのは、突き詰めれば責任の積み重ねです。その責任を適切に配分し、確実に実行することが重要です。そのためには、情報を整理し、やるべきことをクリアにする意識が不可欠です。このちょっとした心がけが、仕事のパフォーマンスを大きく左右することを、ぜひ参考にしていただければと思います。
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