
経営の意思とは何だろうか
弁護士:島田 直行
投稿日:2025.03.25
先日の出張の往復時間中に、ある一冊の本を読みました。
マッキンゼー 経営の本質 意思と仕組み
有名なコンサルティング会社「マッキンゼー」の基礎を築いた経営者が書いた本で、出版からすでに年数が経っているにもかかわらず、普遍的な内容に満ちていると評判だったため、参考として手に取ってみました。
正直に言えば、私はあまり海外の経営者の本を読むことがありません。日本的な経営と欧米的な経営は、根本的に考え方が違うと思っているからです。資本主義そのものの捉え方も、キリスト教的な思想と日本的な価値観とでは微妙にズレがあるように感じます。ですので、これまでは「学ぶなら日本の経営者から」と思ってきました。
しかし、周囲からの評判もあり、一度読んでみようと手にしたこの本は、実際とても学びの多いものでした。
むしろ、時代を超えて通じる「本質」が詰まっているからこそ、今なお読まれ続けているのだと納得しました。
この本に書かれていることは多岐にわたりますが、要点を一言で表すと、「経営には、経営者の“意思”と“計画”が不可欠である」ということです。
一見すると当たり前のように聞こえますが、その当たり前のことが実行できないからこそ、私たちは悩むのです。特に、「意思」という言葉に対する本書の洞察は深く、自分自身の考えを改めて見直すきっかけになりました。
そもそも「意思」とは何でしょうか?
夢や希望と何が違うのか、言葉で明確に説明するのは難しいかもしれません。
「こうなりたい」「こうありたい」という気持ちは、多くの人が持っています。でも、それが果たして「意思」と呼べるのか。私自身、その違いをはっきり説明できないでいました。
私が思うに、意思とは「明確な目標に向かって、達成しようとする強い気持ち」ではないでしょうか。
何かを成し遂げようとする時、計画だけではうまくいきません。計画通りに物事が進むことは、むしろ稀です。むしろ、計画を立てれば立てるほど、その通りに進まないという逆説に直面します。
だからこそ、計画が必要なのです。計画があるからこそ、うまくいかなかった時に、何がズレていたのかを検証できます。そして、そのズレを修正して前に進むには、やはり「意思」が求められます。
意思とは、計画通りにいかないときにも諦めず、方向性を修正しながら前に進もうとする原動力。言い換えれば、困難な状況において歩みを止めないための「最後の馬力」だと思うのです。
もう一つ、意思を持つことには「何かを捨てる決断」も伴います。
限られたリソースの中で、あれもこれもと手を出すことは難しい。だからこそ、「これをやる」と決めた瞬間に、「それ以外を諦める」覚悟も必要になるのです。
私は「覚悟とは、何かをやろうとする意思であると同時に、何かをやめる意思でもある」と感じています。
この本を読みながら、結局「意思の有無」が経営を左右するのだという思いを強くしました。
どれだけ経営理論やテクニックを学んだとしても、最後にものを言うのは「なんとしても事業を続ける」「雇用を守る」という覚悟と、そのために行動する意思です。
私も日々、自分をどう奮い立たせるかに悩みながら、なんとか踏ん張っています。
でも、「この事務所を回さなければいけない」という強い意思だけは、これからも絶対に忘れずにいたいと思います。
それこそが、事務所を前に進めるための唯一の力だと信じているからです。
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