
「目的なんてなくてもいい」って話
弁護士:島田 直行
投稿日:2025.04.11
私たちはよく、「目的を持って行動しよう」と言われます。目標を明確にして、それに向かって進むことが大切だと。もちろん、それはそれで一理あります。特に仕事や勉強など、成果が求められる場面では、明確な目的意識が大きな力になることもあります。
けれど、ふと立ち止まって考えてみると、「目的があったからうまくいった」と言い切れる場面って、案外少ないようにも思うのです。むしろ、「なんとなく始めてみたら、思いがけずいい結果につながった」――そんな経験の方が、多くの人にとって身近ではないでしょうか。
目的を最初に設定してしまうと、その枠から外れたものを無意識のうちに排除してしまう傾向があります。「これは目的と関係ないから」と思って見過ごしてしまうようなことの中にこそ、本当は新しい発想の種が隠れていたりするのに。その結果、どうしても発想が既存の延長線上にとどまってしまうのです。
だから私は、あえて「目的を持たないこと」も大切にしたいと思っています。ふらふらと気の向くままに動いてみる。目的やゴールを定めずに、ただ「面白そうだから」「ちょっと気になるから」という軽やかな気持ちで行動してみる。そうした自由な時間や経験の中から、思いもよらないアイデアや出会いが生まれることがあるのです。
それに、目的があると、それ自体がプレッシャーになることもあります。達成できるかどうかという結果だけで物事を判断しがちになってしまう。うまくいかなかったときには、「目的が果たせなかった=自分はダメだった」と、自分を責めてしまう原因にもなります。
もちろん、目的を持つこと自体が悪いわけではありません。ただ、常に「何のためにこれをやるのか?」と問い続けることが、本当に豊かな行動や発想につながるとは限らないと思うのです。時には、明確なゴールがなくてもいい。目的地のない散歩のように、ただ歩いてみる。そんな時間も、人生には必要なのかもしれません。
最近、そんなふうに「ふらふらすることの意味」について考える機会が増えました。真面目に生きることも大事。でも、それだけでは見えない景色があるような気がしています。
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