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ハラスメント

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クレーマーに追い込まれてしまう3つの理由

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2017.07.27

 クレーマーからの言動に担当者が追い込まれてしまう場面を目にすることがよくあります。誰しも追い込まれてしまうと冷静な判断ができなくなって自分の現状から回避したいという衝動にかられてしまいます。それがクレーマーの目的といってもいいでしょう。クレーマーに追い込まれてしまう3つの理由を整理しておきましょう。

「すぐに」と時間をかきたてる

 クレーマーは、「すぐに電話しろ」「すぐに謝罪にこい」といったように「すぐに」という言葉を多用します。クレーマーは、自分の希望通りに物事が展開することが許せないためにイライラするのでしょう。直ちに行動することを周囲に強烈に求めてきます。たとえば公務員などの場合には、組織が大きいために何かを決めるのにもかなりの時間を要する場合があります。こういった時間がクレーマーには耐えらえれないです。基本的に自分が我慢するという選択肢がないのでしょう。

 仕事においてスピードは大事な要素です。現在のようにあらゆるものが加速しているなかではクイックレスポンスがひとつの仕事の価値になります。ですがクレーマー対応においては、必ずしも直ちに対応することが適切とはいえません。

 人は「すぐに」と外部からプレッシャーを感じるとじっくり考えて判断することができなくなります。判断することが先行してしまって前提となる思考が飛んでしまうというイメージです。こういった拙速な判断はときに重大な判断ミスにつながります。クレーマーは、相手に考える暇を与えないためにもあえて直ちに結論をだすことを求めてきます。

 本当にクイックレスポンスが求めれるケースは限られています。自分が相手のペースに引き込まれていないか「すぐに」と言われたときこそ一歩引いて考えましょう。

明確な要求をしてこない

 クレーマーは、「〇〇円支払え」といった明確な要求をしてくるとは限りません。むしろ大声や執拗な電話を繰り返しながらも明確な要求をしてこないときもあります。担当者としては、丁寧に対応しつつも要求内容がわからずに困惑することになります。

 クレーマーとしては、担当者が困惑するためにあえて明確な要求をしてこないこともあります。私たちは、ぼんやりしたものにこそ恐怖を抱くことになります。例えば幽霊にしても輪郭が曖昧だからこそ怖いです。手足が明確で人間と同じであれば恐怖心も低減するでしょう。ぼんやり=自分で認識できないからこそ自分で想像して恐怖心をかきたてます。

 恐怖心というのは、外部から直接与えられるものではない。外部から提供された情報をベースに内心で想像していだく感情です。あいまいではっきりしないものほど自分でよりいっそう想像して恐怖心を高めることになります。人は、自分の恐怖心で身動き取れなくなります。それこそクレーマーの期待している事態です。

 怖いと感じたときのベストは、はっきり「怖いです」と回答することです。恐怖心を克服しなければなと思うほどに予想しない事態になります。恐怖心を認めてしまったほうが冷静になります。

執拗に繰り返す

 クレーマーは、同じような言い分を執拗なまでに繰り返し主張します。一日に何回も電話してくることも珍しくありません。手紙をだしただけでも激高して怒りの電話をしながらなんども同じことを言い続ける人もいます。

 「なぜクレーマーは同じことを繰り返すのか」とあるセミナーで質問を受けたことがあります。私としては、論理的な交渉をしたくないからだと考えています。クレーマーは、自分の主張が無茶であることをどこかで自覚しているところがあります。本当に自分の言い分が100%合理的であれば、訴訟なりするはずです。大半のクレーマーは、訴訟まではせずに電話や面会の執拗な繰り返しで終わります。これは訴訟で敗訴する可能性を薄々感じているからです。訴訟で敗訴すれば二度と同じよう請求をすることができなく可能性があるために訴訟での白黒を極端に嫌がるのでしょう。

 自分の主張が無茶だとわかっているからこそ論理的な交渉は避けたいわけです。論理的になれば自分の主張が通らないことが明確になる可能性があるからです。そういったリスクは取れないと。だからこそ同じことを一方的に繰り返すことにこだわるのでしょう。

 担当者としては本当に疲れます。同じことを繰り返すことは、自分のやっていることに虚無感を覚えて精神的に滅入ってします。「なんで理解してくれないのか」という焦りはいつのまにかあきらめにもつながります。あきらめると「もはや相手の言い分に従うしか終わらない」ということになりかねません。

 このようにクレーマーは、担当者をいろんな方向から追い詰めていきます。焦らずに対応することをここがけましょう。

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