ハラスメント
歯科医師のクレーム対策:「この歯医者のサービスはひどい」というネットの根拠なき批判はこうやって解決した
弁護士:島田 直行 投稿日:2019.10.20
ネットの口コミは、サービスを選択する側にとっては参考になるものです。なにをするにしても「まずはネットで評価を見てから」という人もいるでしょう。いくらネットの評価はあてにはならないとわかっていてもやはり目を通しておきたいという気持ちもどこかにあるでしょう。根底には、「いい店を選びたい」というよりも「はずれの店を選びたくない」という心理があるような気がします。
最近では医療機関を選ぶうえでも口コミを気にするでしょう。あまりも批判的なコメントが続くような場所にはあえてリスクをとって行きたくないと考えるのはあたりまえのことです。医療機関として受けることの多い批判としては次のようなものがあるでしょう。
〇 説明がよくわからない
〇 受付の対応がよくない
〇 とにかく待ち時間がかかる
〇 身だしなみがよくない
〇 挨拶もロクにされない
こういった批判は耳に痛いかもしれませんがサービスのレベルをあげる参考にもなります。
ですがなかには明らかに根拠のないクレームを感情的に記載する者もいます。こういったことを書かれてしまうと医療機関としても風評被害にあってしまうことになりません。とくに歯科医師の方からは、この手の相談を受けることが増えています。
こういった場合には、ネット上で反論をするのが最悪な対処法です。公開討論になってしまえばどうしても匿名の書き込みが表現も強くなりまけてしまいます。周囲からも「この歯医者が必死に否定するのは事実だからだろう」という印象を受けてしまいます。ネット上の書き込みは、匿名を前提にしているため責任の所在があいまいで討論になじみません。仮に論破できたとしても「ここは徹底的に反論するところ。なんとなく大人げない」という印象だけを周囲にのこすことになりかねません。
こういうときにはなにも反論せずに放置しておくのもひとつの方法です。無関心の態度を貫き議論しないことで自然と収束していくのをまっておくということです。人間の感情はいつまでも同じというわけにはいかずしだいに落ち着いて関心も薄れていきます。無駄に反論することでかえって相手を刺激してよりいっそう批判が強まることだけは避けたいところです。
あるいは「このたびは御不快を与えたようで申し訳ありません。詳細をおたずねしたいので個別に連絡をいただけないでしょうか」とあえて公開の場ではなくクローズの場で話し合うようにコメントを記載しておくのもひとつです。とりあえず公開の場から離れることで周囲からの目を外すことができまず。しかも周囲に「ここはまじめにクレームに対応する」という印象を残すことができます。
このようなネットにおける口コミへの対応は、自著のなかでも触れていますのでいちどご覧になってみてください。
また歯科医師に関しては、「『白い歯にならない。ミスだ!』と詰め寄られないために」という記事も人気があるのでご覧ください。
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