ハラスメント
クレーマーの電話を切るのはあり?クレーマーからの電話対応に対して解説
弁護士:島田 直行 投稿日:2019.10.22
クレーマー対応で精神的に滅入るのが繰り返される電話です。これは本当に心に答えます。なんど同じことを説明してもまったく理解してもらえない。むしろ揚げ足を取って「それはどういうことだ」「おかしいだろ」と詰め寄られてしまうのがオチです。ある方なんて「電話が怖い」という状態にまでなってしまいました。
とくに負担が大きいのがコールセンターをはじめとした苦情の窓口になる方々です。「苦情かもしれない」とわかっていても相手の顔が見えないところで批判を受けるのはつらいもの。それが不当な態度で攻め寄られると本当につらいことでしょう。
クレーマー対応をしていくなかで「なぜこんなにクレーマーは電話が大好きなんだろう」と考えてみたことがあります。なかには弁護士事務所にも「おまえが代理人か。どういう了見なのか」とすごまれた電話をしてくる人もいます。「弁護士が代理人として対応してなにか問題がありますか。むしろ代理人に就任したので本人には連絡しないでください」と淡々と答えるようにはしています。脱線しますがクレーマー対応を弁護士に依頼することのメリットは、代理人として任せることができることです。「自分の手から離れる」というのは精神的にもかなり楽なものです。これって事業の効率化にもなります。クレーマー対応をいつまでも自分で対応することがいいとは限りません。費用をかけても弁護士に依頼することがトータルのコストからすれば有利なこともあります。経営者としては、目先のコストだけに目を奪われてしまうのは避けるべきです。
話を戻しましょう。クレーマーが電話をするのは、おそらくストレス発散の意味があると思います。人は、誰しも何らかのストレスを感じながら日々暮らしています。ストレスフリーというのは理想かもしれませんがなかなか実現できるものではありません。納得できないことで上司に謝罪することもあれば思うように動いてくれない人に不満を募らせることもあるでしょう。
こういったストレスについてうまくバランスを取ることができる人もいればできない人もいます。できない人はストレスをためて怒りの感情で外部にあたりストレスを解放しようとするかもしれません。怒りの矛先にされた側はいい迷惑に他なりませんが本人としては「悪いことをしている」という自覚がありません。むしろ一時的であれば自分の内面のストレスが軽減されていくことに安心感すら覚えるのかもしれません。
クレーマーにとって大事なのは、電話越しであれ「自分が優位に立っている」という優越感に他なりません。「自分は一方的にストレスを受ける側であるべきではない。人は自分に従うべきだ」という意識がどこかに垣間見られます。ですから相手の事情は関係なくひたすら自分が納得するまで電話をかけまくります。しまいには電話を切ったことすら批判してくる人もいます。
こういうケースにはとにかく相手の事情に関係なく電話を切るという姿勢が必要です。「一方的に電話を切ると反発を受けるのではないか」という気持ちもわかりますが問題の解決にはなりません。電話対応を継続するほどにさらに電話が続くということになりかねません。たいていの内容は30分もあれば伝え終わるでしょう。それでも電話が続くようであれば書面でのやりとりに切り替えるなどの方法を考えるべきです。懇切丁寧に電話を続けることがみんなにとっていいこととは限りません。
クレーマーの心理状況については、「自尊心のない人ほどクレーマーになりやすい」にも書いていますのでご覧ください。
本書の中では具体的な電話の切り方についても紹介しています。アドバイスをさせていただいた方からは「自信をもって電話を切ることができるようなった」などの言葉をいただいていますので参考になさってください。
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