後継者・幹部育成
職場の雰囲気を変えるために経営者が手に取るべき心理学的な本3冊
弁護士:島田 直行 投稿日:2021.03.04
経営者に限らず「いい職場」を作りたいというのは万民の願いです。いくらテレワークが推奨されたとしてもやはり職場というものは存在します。毎日顔を合わす人々と妙な緊張関係を維持したいとは誰も考えないでしょう。さりとて理想的な明るい職場を作りあげることは並大抵のことではないです。いくら経営者が旗を掲げても誰もついてこないまましらけていくケースも珍しくありません。経営者としては「この方法もだめだった。次はこれだ」とビジネス書を買い漁るわけですが本で知見を得て直ちに現実を変えられるほど簡単でもありません。それができたらおそらくこれほどたくさんのノウハウ本が本棚を飾ることもないです。
僕は、さまざまな労働事件を担当してきていかに心理学的アプローチが重要なのか身に染みて感じています。いっそ心理学部に入学し直そうかと考えたくらいです。自分でも心理学を体系的に学べば交渉スキルをもう一段あげることができるのではないかと真剣に考えています。問題は、それだけの時間的余裕がないことです。悲しい。さりとてこういった心理学的アプローチは、経営者にとっても必須です。細かいノウハウ本を集めるよりもまずは社員への心理的配慮から議論を始めるべきと考えます。その参考になる本をご紹介しましょう。
経営における心理学の重要性を教えてくれる一冊。最初に手に取るならここからでしょうね。トップは、会社のすべてを把握しているようで把握していないものです。社員への心理にしてもわかっているようでわかっていない。この「わかっていない」という認識からすべてがはじまります。逆を言えば「わかっている」という認識の時点でなにもわかっていない。どれだけロジックを重ねてもロジックだけでは社員は動かない。だからこそ社員の心理に思いをはせるのが必要なわけです。
リクルートの創業メンバーのひとりが体系化した一冊。同社は、心理学的アプローチに基づく経営により成長してきた実績があります。「いかにして優秀な人材を確保し、育てていくのか」についての答えをまさに心理学に求めたといえます。「私の考える心理学的経営とは、いわば経営リアリズムであって、まず、人間を人間としてあるがままにとらえるという現実認識が出発点なのである」という言葉に空理空論では終わらない現実の経営に紐付いた心理学であることが集約されています。ちなみに有名なSPI試験もリクルート発祥。
恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
心理学そのものではないが経営者なら参考になる一冊。Googleが提唱し一気に知名度をあげた心理的安全性について体系化した(おそらく経営者向けとしてははじめてでは)ものです。とかく心理的安全性という言葉のイメージはわいたとしても「ではなにからはじめればいい」と具体的な行動に落とし込むことができません。具体的事例⇒抽象化⇒具体的なリーダーの行動パターンというわかりやすいロジックのため自分の行動を変えるきっかけになります。
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