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「変わること」への焦りと

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2025.03.02

今日は少し時間ができたので、近所の本屋を訪れました。普段、本を買うときはほとんどAmazonを利用してしまうのですが、月に一度くらいは特に目的もなく、本屋をぶらぶら歩くようにしています。こうした散策の目的は、想定していなかった本との出会いを楽しむことです。

ネットで本を買う場合、たいてい「これを買おう」と明確な目的があるため、どうしても自分の興味のあるジャンルや著者に偏りがちです。その結果、知識の幅が狭まってしまうような気がします。だからこそ、本屋では普段立ち寄らないコーナーをあえて覗き、面白そうな本を手に取るようにしています。もちろん、買ったものの読まずに終わる本もありますが、それもまた一つの経験です。

本屋を歩いていると、自己啓発書や「変わるための本」が非常に多く並んでいることに気付きました。「こうすれば人生が変わる」「成功するための〇〇」といったタイトルが目立ちます。特に最近は、子育てやキャリアに関するものが増えている印象を受けます。これほどまでに「自分を変える」ことをテーマにした本が多いのは、それだけ現状に危機感を抱いている人が多いということの表れなのかもしれません。

「今のままではいけない」「もっと良くならなければならない」という焦りや不安を、多くの人が感じているのでしょう。私自身、そうした感情を抱いたことは何度もあります。「このままではダメだ」という漠然とした不安と、どうすればいいのか分からない焦燥感。しかし最近になって、その考え方に少し変化が生まれました。

そもそも、「変わればうまくいく」というのは幻想に過ぎないのではないか、と考えるようになったのです。例えば、年収アップを目指して転職をする人は多いですが、実際に転職によって収入が増えた人の割合は4割程度と言われています。つまり、半分以上の人は期待通りの結果を得られていないのです。しかし、「転職で失敗した」という話はあまり表に出てこないため、成功例ばかりが強調されがちです。

変化を求めることは大切かもしれませんが、同時に「あえて変化をしない」という選択肢も重要ではないかと思うのです。今の生活を維持できているということは、それだけでも十分な努力の結果です。現状に不満があったとしても、何かを変えたからといって本当に満足が得られるかどうかは分かりません。むしろ、変えたことで新たな不満が生まれ、さらに変化を求める…という終わりのないループに陥る可能性もあります。

それは、まるでラットレースのようです。ひたすら走り続けても、どこにもたどり着かない。だからこそ、「変わること」への焦りや不安を過度に抱く必要はないのではないでしょうか。変化を求めることが悪いわけではありませんが、今の自分の状況を肯定的に捉え、「変わらないこと」にも価値を見出すことが大切なのではないかと感じます。

本を読んで「変わろう!」と一時的に高揚することはよくありますが、結局のところ、人は自分の身の丈に合ったライフスタイルに戻っていくものです。変化とは、劇的に訪れるものではなく、小さな経験を積み重ねながら少しずつ形作られていくものなのかもしれません。

本屋を歩きながら、そんなことを考えた一日でした。

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