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「知らない」と言える強さが知性をつくる

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2025.04.04

最近、「知性とは何か」について意見を求められる機会がありました。これをきっかけに、改めて「知性」について考える時間がありました。知性という言葉にはさまざまな意味が含まれますが、私なりに二つの特徴があるのではないかと感じています。

まず前提として、「知性=知識量」ではない、というのが私の考えです。かつては、豊富な知識を持っていることが、その人の評価につながっていたように思います。でも、今はどうでしょうか。インターネットの発達により、誰でもすぐに情報にアクセスできる時代になりました。生成AIの登場も相まって、知識を集めて整理する力そのものが、私たちの身近なところで加速しています。

だからこそ、「どれだけの知識を持っているか」よりも、「その知識をどう扱うか」が問われる時代になったのではないかと思うのです。

知性の一つ目の要素として、私が大切だと感じているのは「自分が知っていることと、知らないことを明確に区別できる力」です。

情報があふれる中で、「何をもって知っているのか」「何をもって知らないのか」の境目は、曖昧になりがちです。「なんとなく知っている」「聞いたことがある」レベルの情報を、つい自分の中で「知っている」と錯覚してしまうことも少なくありません。日常的に使っている言葉でも、意味を聞かれた瞬間にうまく説明できず、戸惑うこともあります。

そう考えると、私たちの知識の多くは、グレーゾーンにあると言えるかもしれません。そして、誤った理解のまま発言してしまうことが、自分や他人に迷惑をかけることもあるのです。

だからこそ、「これは知らない」「わからない」と言える力こそが、真の知性の現れだと思うのです。それはある意味で、勇気のいることです。けれど、その一言が、自分を守り、周囲との関係を良くする第一歩にもなります。

もう一つ、知性に必要だと思うのは「自分を疑う力」です。

人は誰しも間違えます。間違わないことが知性なのではなく、間違えたときにそれを認識し、修正できることが知性だと私は考えています。自分の考えを100%正しいと信じきってしまうと、他人の意見を聞く余白がなくなってしまいます。そうなると、他者への配慮や優しさが薄れてしまう危険もあります。

「自分は間違っているかもしれない」という前提を持つこと。それが、他者への尊重や共同体としてのバランスにつながるのではないでしょうか。

最近は「自分を信じる」ことの大切さが強調されがちですが、「自分を疑う」ことも、同じくらい大切なことなのだと思います。

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