ハラスメント
クレーマー対応よくある失敗例:”一人”でクレームを解決しようとすると大変なことに
弁護士:島田 直行 投稿日:2019.12.01
クレーマー対応に慣れている。というのはあまりうれしくない評価かもしれないが実際のところ慣れている人もいらっしゃる。激しい電話でも水を流すように「そうですよね」など共感するように見せつつもいつのまにか話を終わらせている。弁護士から見ても「この人は器用だな。弁護士になればいいのに」とすら感じることもある。
さりとてこういった職人技を誰しも手に入れる必要はない。むしろ個人のスキルだけに依存するような解決方法は望ましいものではない。特定の人に負担が集まってしまうからだ。よくセミナーでも言うことだが理想の組織とは誰しも同じ反応をする組織だ。人によってぶれない対応をしている組織を見ると「一体感あるな」と感じるものだ。
クレーマーは丁重に扱ってもどうにもならないこともある
クレーマー対応はできれば避けたいところだが現実に担当せざるを得ないときもあるだろう。世の中全体がギスギスしている浮世であればいつ自分が担当者に指名されるかはわかったものではない。「丁重に扱えばなんとかなる」というのはあまりにも楽観視すぎている。実際にはどうにもならないことがあるからクレーマー対応で頭を抱える人がでてくる。
慣れない人が陥ってしまう痛恨のミスがある。それは「自分でなんとかしよう」という淡い情熱だ。失礼ながら情熱と問題解決はリンクしないしむしろ問題をめんどくさいことにしてしまう。
これまでの経験からしてクレーマーに悩まされている人に共通点がある。それはまじめでやさしいということだ。まじめでやさしいひとは、人間としては理想的な姿だ。ぜんぜん優しくない僕にはまぶしいくらいだ。でもやさしさがときに自分を追い込んでしまうこともよくわかってほしい。
まじめな人は、クレーマーからの根拠なき批判も自分に向けられたもので会社に迷惑をかけないために自分で何とかしないといけないと誤解している。あくまで会社の業務として行ったことで生じた問題であれば、それは会社の問題とするべきであって個人の問題とするべきではない。個人の問題にすりかえるような会社だったら退職したほうがいい。そんな責任の所在があいまいな会社には将来性がない。
たいていぐだぐだになってしまう事案では、自分ひとりでなんとかしようとして失敗することが多い。逆に周囲に早い段階に相談して「自分ごと」から外している人は解決しやすいし精神的な負担も軽減される。
必要な時に必要な人のちからを借りること
なんでこんなことをブログで書くかといえば、やさしいがゆえに悩んでいる人があまりにも多いから。とくにこのブログを読んでくれている人は根本的に優しい人が多い。(書いている人は冷たいのだが)それでいろんな相談がやってくるわけだ。相談にはいつでもどこでものるから気軽に声かけて欲しい。「自分でなんとかしないといけない」と妙な責任感に押しつぶされてしまってネットで解決策を何とか見つけだして自分だけで解決しようとするのはやめたほうがいい。ネットには解決についてのアドバイスがあるかもしれない。でも求められるのはアドバイスではなくあなたを支える誰かの存在だ。「自分の力で」というのはかっこいいかもしれないがある意味では孤独な存在というわけだ。みんなが夕日のガンマンになる必要なんてない。「助けてよ」ということこそ大事だ。
強さとは自分ひとりでなにかを達成することだけではない。必要なときに必要な人につながることができるのも偉大な強さだ。そのためにも日頃から周囲とコミュニケーションをとっておくことだ。人とのつながりこそあなたがクレーマーから追い込まれるのを救ってくれるセーフティーネットだ。
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