
充実した日常はどこにある
弁護士:島田 直行
投稿日:2025.02.28
金曜日の夜を迎えると、ふと一週間のことを振り返りたくなります。日々を充実させたいと願いながら、どれだけ意識的に過ごせたのかを考え直すのは、僕にとって大切な時間です。
僕らは、一日一日をできるだけ充実させたいと思っています。そのために何ができるのかを考え、学び、試行錯誤を繰り返します。仕事に真摯に向き合えば向き合うほど、時間の使い方を効率的にしようとする意識が強くなり、1分1秒を大切にするようになります。けれども、それが行き過ぎると「常に何かを成し遂げなければならない」という一種の脅迫概念のようなものに支配されてしまうことがあります。
こうしたプレッシャーの根底には、「幸福は充実から生まれる」という発想があるのかもしれません。しかし、僕らは「充実の意味」について、しっかり考えることが意外と少ないのではないでしょうか。ただ単に忙しいこと、求められることが多いこと、時間がないことを「充実している」と錯覚してしまうこともあります。あるいは、欲しかったものを手に入れた瞬間に感じる満足感を「充実」と思い込んでしまうこともあるでしょう。
しかし、本当に大切なのは「いつもと違う何かがある」ことではなく、「いつもと同じ日常を大切にできるかどうか」なのではないかと思います。変化や刺激があるからこそ充実感を得られることも確かですが、それが本当の幸せとは限りません。ひたすら走り続けることで充実を求めてしまうと、ふと立ち止まったときに「自分は何をしているんだろう」と感じることがあるかもしれません。
圧倒的多数の人にとって、日常とは大きな変化のない繰り返しです。朝起きて、仕事をして、夜を迎える。同じような時間が流れ、ときめきも特別な出来事もない。そんな日常を「味気ない」と感じることもあるかもしれません。しかし、本当の充実とは、この「変わらない日常」を大切にし、それを維持することにあるのではないでしょうか。
ひたすら新しいものを求めたり、誰かと比較してしまうと、日常の価値を見失ってしまうことがあります。変わらない日常を否定的にとらえる人もいますが、僕はむしろ、それを肯定したいと思います。変わらない日常を大切にすること、そして、それを守ることの大切さを知ることこそが、自分の人生の本当の意味を見つけることにつながるのではないでしょうか。
金曜日の夜、こんなことを考えながら過ごしています。つまらないと感じる瞬間もあるかもしれませんが、そんな時間こそが実は大切なのかもしれません。時には立ち止まり、考える時間を持つことの大切さを、改めて思うのです。
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