ハラスメント
歯科医師のクレーマー対策:「白い歯にならない。ミスだ!」と詰め寄られないために
弁護士:島田 直行 投稿日:2019.10.04
医療・福祉の分野は、悪質なクレーマーの対象になることが少なくありません。特に最近では、歯科医師の方が巻き込まれることが増えた印象があります。事務所でも歯科医師の方からご相談を受けることがあります。
歯科医師に対するクレームとして多いのがホワイトニングに関するものです。「自分の歯を美しく見せたい」というのは誰しも願うことでしょう。「この施術を受ければ歯は白くなる」という期待をもって依頼をします。相当の費用を支払うことになればより一層期待も大きくなります。期待が高くなるがゆえに現実の状態から不満を抱くことになりがちです。「あんなに費用を支払ったのに効果がない。やり直せ」というクレームになることもあります。
あたりまえのことですがホワイトニングといえども個体差があります。いかに費用をかけてもやはり想像していた白さにならないこともあります。そのため医師も事前にそういったリスクなどについては説明をしているものです。実際には説明を受けているのにもかかわらず「そんな説明を受けていない」と患者から非難されることもあります。
こういったトラブルに巻き込まれないため気をつけておくべきことがあります。それは説明の内容を書面にしておくことです。
実際のクレームを整理してみると本人が自宅でのフォローをしっかりしていないというケースもあります。いくら「あなたがきちんとフォローしていないからです」と説明をしてもうまくいかないものです。「そんな手間がかかるとは聞いていない。おかしい」と議論がかみ合わないものです。
つまるところ「言った言わない」に議論になってしまうと問題を解決するにさらにストレスがかかってします。そのため説明をしたことを明らかに書面を事前に用意しておくべきです。
- ホワイトニングの効果には個体差があること
- ホワイトニングには自宅でのフォローなどが必要であること
- 根拠のない返金要求には応じられないこと
こういったポイントを一枚の書面にまとめておいて本人のサインをもらっておきます。事務所では、こういった書面を利用してもらうようになってからホワイトニングについてのクレーム相談が激減しました。仮にトラブルになっても書面を見せて「事前に説明をしています」と回答することができます。
このような書面を用意するのは一手間かかります。ですが最初からクレームになるケースなどわかりません。わからないから適当に始めてしまって事後的に気の滅入る自体になります。一手間を惜しまない努力が将来の大きなトラブル回避になります。
歯科医師に対するクレームでお悩みのときにはご相談ください。
【追記】
これまでの解決案件をベースにしたクレーマー対策本「社長、クレーマーから『誠意を見せろ』と電話がきています」(プレジデント社)を販売しております。応召義務などについても踏み込んで解決しています。歯科医師の方にとっても事案解決の手引きなりますのでご覧ください。
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