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後継者・幹部育成

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立ち止まる。そしでここにあるものを見つけだす

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2021.05.31

ビジネス書として話題になっている「マイノリティデザイン」を読了。結論として経営者であれば絶対に読むべき1冊だ。これは業種や規模に関係なくてなんというか「経営とは何か」という根源的な問いに対してのひとつの回答を導きだすうえでも間違いなく参考になる。本書のエッセンスは、「弱さこそ新しい強さだ」ということに尽きる。なんとも力強いメッセージではないか。

経営者が経営を通じて実現したいことは人によって異なる。ふたつとして同じものはないはずだ。でも共通するものはきっとある。それは「社会をよくしていきたい」という切なる願いだ。ある人は食を通じて、ある人は住居を通じて、ある人は福祉を通じて。その願いを実現していくためにこそマーケティングによる収益の確保が必要になってくる。ここで再考を要するのがマーケティングの方向性についてだ。僕らは、利益の最大化を実現するためにマーケティングによって「できるだけ多くの人」に刺さるような一手を模索している。マーケティングの手法はたくさんがあるけれども根本的には「できるだけ多くの人」に妥当するものを目指している。

でもそういった最大公約数的な発想だと少数派の人や苦手な人などがどうしてもターゲットから外れてしまう。世の中には完璧な人などいない。仮にいたとしても本当にわずかな数だけであろう。たいていの人はなにがしか弱みというものをもっている。僕なんて弱みばかりでコンプレックスの塊だ。運動神経はゼロ、歌はひどい音痴、おまけに強烈な腰痛持ち。僕らは、そういった弱点なりを克服するべきものだと教わってきた。でもいくら努力してもうまくいくことばかりとは叶わない。むしろ努力するほどに「やはり自分には難しい」という自信喪失になり結果として弱いところを隠そうとする。無理をして隠そうとするからこそいっそう自分のなかでストレスを抱えることになる。

著者の発想は180度違う。強さとか弱さというのは「あるルール」のもとでの評価でしかない。ルールを変えてしまえば弱さは強さになるということだ。まったくそのとおりだ。なぜか僕らは、ルールのなかで結果をだすことばかりに意識を向けてしまいルールを変えるという発想を失っている。そういうルールを変えることで誰しも「自分」というものを否定せずに受け入れることができるようになるのであろう。僕らは、いつも目の前の「やるべきこと」に追い込まれてしまい立ち止まって周囲を見渡すことができなくなっている。周囲のみならず自分自身すら見えなくなっている。だからこそ立ち止まって周囲を眺めてみよう。そこには、既存のルールのなかでうまく動けない人がきっといる。そういうひとにそっと手を差し伸べる。そういった社会こそ望むべき社会ではないだろうか。成長や拡大ばかりが成熟した社会が目指すものではないないはずだ。

ビジネス書を読み終えて優しい気持ちになるという経験は滅多にない。でも本書は間違いなくあなたの心に響く。本署が広く読まれいることこそが社会が優しさを求めている証左であろう。

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