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美容室のクレーマー対策:「いつまで待たせるの」と追い詰められた美容室はこう切り返した

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2019.10.16

美容関係は、クレーマー対応に悩むことが多い業種のひとつです。事務所でも美容関係のクレーマーについての相談も相当あります。おそらくサービスに対する期待値が高いためにちょっとしたことでも幻滅してクレーマーになってしまうのでしょう。事務所でとくに相談を受けることが多いのは、美容室におけるクレーマー対策です。県外からも人づてに相談にいらっしゃいます。

美容室のクレームって本当にいろいろあります。
○ 髪型が自分の指示したものと違う
○ 担当者の愛想が悪い
○ 自分に特別待遇をしなかった
〇 サービスが価格にあっていない

大抵のケースでは、真摯に謝罪すれば解決しています。ですがなかにはすごい案件もあります。

ある美容室では、たまたまスタッフの手違いで顧客を20分以上待たせてしまいました。はじめての顧客だったようですが担当者の連携がうまくいかず「担当は自分ではない」ということで声をかけそびれてしまったようです。ここは美容室のミスです。その顧客は、自分への対応に怒り心頭。そのまま美容室の対応を批判して帰宅されました。事情を知った美容室は、直ちに謝罪をしました。それでも顧客の怒りは収まりませんでした。

それからというもの連日のように美容室を批判するメールなどが来ました。担当者も丁寧に対応していましたが大量のメールと電話でしだいに疲弊していました。美容室の問題については認めたうえで真摯に謝罪をしました。そのうえで代替的なサービスについても提案しました。それでも顧客は納得せずにしだいに根拠のないいいがりまで述べるようになりました。「自分は被害にあったのだ。自分の言うとおりに動きべきだ」という発想がうまれたのかもしれません。顧客はいつの間にかクレーマーとなってしまいました。

経営者は、なんどもお詫びの電話やメールをしました。ですがいっこうにクレーマーからのコンタクトは終わりません。関わっている現場のスタッフは、「また電話がかかってくるのではないか」と不安が広がっていました。経営者らは、真摯に対応すればわかっていただけるとの一心でしたが解決にはなりませんでした。むしろこちらが弱い立場にあるとわかると批判はさらに過激になりました。クレーマーには、根底に「特別な存在であるべき自分が無下にされた」ということへのいら立ちがあったようです。

「自尊心のない人ほどクレーマーになりやすい」にも書きましたがクレーマーは、自分に対する不満を持っています。ある意味では自信がないのです。自分に対してどこか不満があるために他者に対する攻撃で自分を相対的に浮き上がらせようとします。自分を高めるのでなく他者の足を引っ張ることで自分の優位性を維持しようとします。このクレーマーもどこが日常生活において自分に対する不満があったのでしょう。たんなるストレス発散の方法として美容室をターゲットにしたのかもしれません。

「場合によっては訴える」とまで言われてしまって迷走した経営者は人づてに相談に来られました。それに対しては次のようなことを書いた手紙をだすようにアドバイスしました。

〇会社のミスは認め繰り返し謝罪をしてきたこと
〇訴訟をするのは自由であるため対応していくこと
〇さらなる要求をするなら弁護士を交渉の窓口にすること

経営者からは、こんな手紙をだしたら本当に訴えられないかと不安視されました。ですが訴訟をすることを止めることなんてできません。仮に訴訟になれば受けて立てばいいだけのことです。実際には訴訟まで仕掛けてくるケースはめったにありません。費用倒れになる可能性があるからです。

この書面をだしたらまったくクレーマーからの連絡がなくなりました。あまりにもスマートに終わったので経営者が驚いていました。「自分にミスがある」という負い目があると明確な切り出しがしにくいものです。それが問題を複雑にしています。はっきり「今後は弁護士に依頼する」と断言することが問題解決になることがあります。

具体的な解決方法については、こちらの本もご覧ください。

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