私たちは,こういう方を求めています
私たちは,キャリアやポジションに関係なく安心して自分の意見を伝えることができる職場を心がけています。理想の職場を作るため「なにをするか」よりも「誰とするか」を重視しています。ここでは私たちが採用に関してどのような方を求めているかについてポイントを整理しておきます。
参考文献 恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
自分の失敗を前向きに語ることができる人
誰だって失敗は回避したいもの。それでも失敗するのが普通の人間です。失敗や挫折は,何かに挑戦をしたからこそ味わうものです。挑戦をしない人には,失敗も挫折もないでしょう。失敗などを経験したからこそ誰かに優しくなることができます。その他者に対する優しさこそ事務所にとって必要なものです。
人は,失敗からなにかを学ぶことができる存在です。失敗からなにかひとつでも学ぶことができれば,それはあなたにとっての「成長」に他なりません。さらに学んだことを誰かに伝えることができれば,誰かにとっての貴重なアドバイスになります。事務所では失敗を積極的に評価しています。ですから「法律事務所の経験がないこと」を気にすることはまったくありません。
事務所にしても数え切れないほどの失敗をしてきました。失敗と改善を繰り返しながら今の事務所があります。失敗を受け入れ前向きに語ることができれば,目の前には新しい世界が広がります。そして前向きに語ることができる人のこそ「強く頼れる人」です。
もしかしたら何かに失敗して落ち込んでいる方がこちらのページをご覧になっているかもしれませんね。そういう方には応募の有無に関係なくひとつアドバイスをお伝えしておきます。失敗をリカバリーするために必要なこと。それは「自分ができることを淡々とやっていくこと」です。それを心がければたいていの失敗は,成長のための経験へとなっていきます。
参考図書 失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
コツコツ仕事を続けることができる人
ドラマで目にする法律事務所は,なんとなく華やかな印象があるかもしれませんね。でも現実の法律事務所の仕事は,たいてい華やかなものではありません。少なくとも私の事務所は,華やかさとはかけ離れたものです。事務所内の作業の90%以上は,定型的で地味なものです。ですが定型的で地味な部分をきちんと処理できるかが事務所のブランドに直結します。定型的な部分を確実に処理できるからこそ残りのクリエイティブな部分に時間を投じることができます。
地道にコツコツしてなにかをやりきる能力ってあらゆる仕事に必要な能力なんです。でも「地味」だからなかなか採用の評価基準にあがってこない。どうしても華やかなキャリアなどに目を奪われてしまいがちです。それではチームとしてのパフォーマンスはなかなかあがらないです。事務所では,ひとつのことをコツコツできる人を求めています。
仕事を成長の機会としてとらえる人
仕事をたんに生活費を手段と位置づけるのはもったいないです。人生において仕事の占める割合は,決定低いものではありません。事務所では,仕事を人格的成長を実現するための機会として位置づけてもらうようにしています。
これは決して長時間労働をしましょうと言っているわけではありません。むしろ事務所は,できるだけ定時に帰社することを推奨しています。定時で帰るからこそスケジュールも組みやすくなります。短い時間で仕事を処理することが人事評価でも高いポイントになります。
私は,古い考え方もしれないけど仕事を通じて「なにかを学ぶ」という意識を持って欲しいと願っています。そういった意識があるかないかで仕事へのモチベーションは大きく異なってきます。わからないところがあれば自分で調べてみる。あるいは資格の勉強をしてみるなど。そういった日々の努力の積み重ねこそが人格というものを作りあげていくと考えています。
「ちょっと手伝いましょうか」と自然に言える人
この事務所は,チームワークをなにより大事にしています。どれほど優秀な人であっても個人が対応できる範囲には限界があります。だからこそチームや組織という求められます。チームで仕事を達成するからこそ達成感も人一倍大きなものになります。
自分にやるべきタスクをこなすというのは,ある意味ではあたりまえのことです。やるべきことすらできない状態で他人のことについてまで頭を回すことはできないでしょう。同時に「自分のやるべきことさえすればいい」という発想ではいつまでたってもチームとしての仕事にはなりません。チームで仕事をするときには,個人と個人を結びつける線をいかに確固たるものにしていくかが重要になります。誰しも信頼できない人と仕事をしたいとは思わないでしょう。
こういった信頼は,自分で声をかけていかないとうまれてきません。自分の仕事をきっちりやれば自然に成熟していくものではありません。周囲の人で困っている人がいたら「ちょっと手伝いましょうか」と自然に言える人こそビジネスパーソンとして理想ではないでしょうか。少なくとも事務所ではそのように考えています。
もちろん経験がない人がいきなりベテランに「手伝いましょうか」といってもなかなかサポートすることはできないでしょう。でもちょっとした作業であればサポートできるかもしれない。信頼構築のうえ大事なのは,「声をかけてもらえた」という経験を重ねることです。そこから少しずつ相互の理解が進んでいきます。